グループCEOメッセージ

グループCEO 取締役社長
櫻田 謙悟

前中期経営計画のふりかえり

計画最終年度である2015年度の業績はグループ史上最高益となり、修正連結利益、修正連結ROEともに当初の目標を達成しました。

2012年度に始まった前中期経営計画では、国内損保事業の収益力向上を基点として、国内生保事業、海外保険事業など成長分野への経営資源シフトを積極的に進め、持続的成長サイクルの構築を目指し、着実に実現しました。その結果、2015年度の修正連結利益は2,155億円、修正連結ROEは7.8%と、いずれも当初の計画を上回る成果を上げることができました。
国内損保事業においては、2014年9月に損保ジャパンと日本興亜損保の合併が計画どおり完了し、合併によるシナジー効果を発揮することができました。また、主力商品である自動車保険において収益構造の改善を進め、計画の達成に大きく貢献しました。
国内生保事業においては、収益性の高い保障性商品への注力により着実に企業価値が拡大しました。さらにインターネット販売の開始やウェアラブル端末の活用など、将来を見据えた取組みをスタートしています。
海外保険事業は、先進国市場と新興国市場へバランスの取れた投資を行っており、2013年にはブラジルのマリチマ社への増資、2014年に英国ロイズのキャノピアス社(現:SOMPOキャノピアス社)を子会社化するなど、規律あるM&Aによる成長と新興国を中心としてマーケット水準を上回るオーガニック成長を実現しました。
金融・サービス事業は、保険の枠組みを超えた新たなビジネス領域への進出を行っており、2015年は株式会社フレッシュハウス、株式会社プロダクト・ワランティ・ジャパンを子会社化し、それぞれ住宅リフォーム事業、延長保証事業に参入しました。また、2015年、2016年はワタミの介護株式会社(現:SOMPOケアネクスト株式会社)、株式会社メッセージ(現:SOMPOケアメッセージ株式会社)の子会社化など介護事業への本格参入も果たしました。

中期経営計画の推移

      
  • 修正利益の算出においては、国内損害保険会社の合併にかかる特別損失や法人税減税影響などを特殊要因として除いています。
    金額(税控除後)は、2012年度176億円、2013年度267億円、2014年度800億円、2015年度123億円となります。
  • 2011年度はセゾン自動車火災とそんぽ24を金融・サービス事業として集計しています。
  • 修正連結利益・修正連結ROEについては、こちらをご覧ください。

環境認識および将来展望

VUCAと呼ばれる不安定で不確実性が高く、複雑かつあいまいな時代のなかで、グローバルベースでの存在感のある事業規模の確立と、他社にはないユニークな事業モデルを構築していきます。

国内の人口減少・急速な高齢化、大規模自然災害の常態化、指数関数的に進化するテクノロジーとそれに伴うお客さまの行動変化など、当グループを取り巻く環境は非連続かつ大きく変化していくことが予想されます。たとえば主力商品である自動車保険に関しても、自動運転自動車やぶつからない自動車、所有から共有への変化などの例が挙げられます。さらに、新しいライフスタイルを持ったデジタルネイティブ世代のお客さまが消費活動の中心となっていくことも考慮しなければなりません。
当グループが持続的な成長を果たすためには、これらの変化をいち早く察知し、柔軟かつ迅速に対応していくことが求められており、現在の事業ポートフォリオおよびビジネスモデルの延長線ではない、グローバルベースでの存在感のある事業規模の確立と、他社にはないユニークな事業モデルを構築する必要があると考えています。
新中期経営計画では、戦略的リスク経営(ERM)のもと、国内損保事業の収益力向上に向けた先行投資を実施することで持続的な成長原資を確保し、国内生保事業、介護・ヘルスケア事業、海外保険事業といった成長分野への大胆な経営資源シフトによる事業ポートフォリオの分散を図ることで、想定される大きな環境変化のなかでも、持続的成長を実現する強靭さを持った事業基盤を構築し、グループ経営理念の具現化に向けて大きく舵を切ります。

グループの目指す姿

「安心・安全・健康のテーマパーク」を構築し、グループ経営理念を具現化していきます。

当グループではこれまで「保険の先へ、挑む。」というブランドスローガンのもと、保険事業を中核として、介護事業やリフォーム事業など事業領域を拡大してきました。
新中期経営計画では、新たな事業機会の探求、既存事業の品質向上・サービス領域の拡大や事業間の連携を通して、それぞれの事業・サービ スを各分野において魅力ある特徴をもったアトラクションに進化・充実させていきます。あわせて、「人」によるお客さまに寄り添ったサービスに加えて、「デジタル技術」を活用したお客さまとの接点を拡充させていきます。
これらの取組みを通じて、当グループは、お客さまの幅広いライフステージや日常生活において「安心・安全・健康」を総合的にサポートし、 お客さまの人生に笑顔をもたらす「安心・安全・健康のテーマパーク」に進化することで、グループ経営理念である「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスをご提供する」を具現化させていきます。

当社のコーポレート・ガバナンス体制の特徴

「安心・安全・健康のテーマパーク」を実現するための戦略

各事業がコアコンピタンスを強化し、高品質で魅力あるサービスを提供するとともに、グループ内連携や有力プレイヤーとの提携、デジタル技術をはじめとした先進技術の積極的な活用により、保険事業の枠組みを超えたトータルサポートを提供していきます。

「安心・安全・健康のテーマパーク」実現のためには、各事業の魅力を高めていく必要があります。国内損保事業は、最もお客さまに支持される損害保険会社を目指し、価値創造イノベーションに取組み、グループ全体の成長を牽引します。国内生保事業は、新中期経営計画期間を第二の創業期と位置づけ、「健康応援企業」への進化を目指します。介護・ヘルスケア事業は、「世界に誇れる豊かな長寿国日本」の実現に貢献するため、介護、未病・予防、医療連携などの統合的なサービスを提供します。海外保険事業は、着実なオーガニック成長と規律あるM&Aによる成長加速に取り組みます。
さらに、介護と保険、リフォームと介護、予防と保険など、事業間の連携や有力プレイヤーとの提携を通し、保険事業の枠組みを超えたトータルサポートサービスの創出を目指します。
また、このような各事業の取組みと並行して、先進的なデジタル技術の活用にグループ横断で取り組みます。その一例として、2016年4月にデジタル分野における研究・開発を目的とする拠点「SOMPO Digital Lab」を東京と米国シリコンバレーに新設しました。テクノロジーの指数関数的な進化の流れを真っ先にとらえ、グループとしての競争優位性を確固たるものとするため、グループ横断の機能強化を目的としており、デジタル技術を活用したお客さま接点の構築やデジタルネイティブ向けのマーケティング、これまでにないビジネスモデルの研究・開発などを行っていきます。
「安心・安全・健康のテーマパーク」に完成形はなく、お客さまとともに、そして時代の変化とともに常に進化を続けていくものと考えています。

コーポレート・ガバナンス

「コーポレート・ガバナンス方針」において統治組織の全体像および統治の仕組みの構築に係る基本方針を明確化したうえで、常に最良のコーポレート・ガバナンスを追求しています。

重要な経営判断と業務執行の監督を担う取締役会と、取締役会から独立した監査役および監査役会により、監督・牽制機能の実効性の維持・向上に努めるべく、監査役会設置会社を選択するとともに、事業オーナー制および執行役員制を採用し、迅速な意思決定と権限・責任の明確化 を図っています。
また、取締役会の諮問機関として委員長および委員の過半数を社外取締役とする指名・報酬委員会を設置し、役員の選任および処遇の決定についての透明性および公正性の確保を図るとともに、監査役が各種課題別委員会等に出席し意見を述べるなど、業務執行の妥当性に関し実質的に牽制可能な態勢を整えています。このように、当社は監査役会設置会社でありながら委員会設置型機関設計のメリットを多数取り入れたハイブリッド型の態勢で、ガバナンスの実効性を高めています。
2016年6月末現在、取締役会は、事業会社の業務に精通した社内取締役9名と、社外取締役4名の13名で構成し、また、2名の女性社外取締役を選定するなどダイバーシティもふまえた構成としています。社外取締役は、経営戦略、企業法務、ICTなどの専門分野のみならず、さまざまな分野における豊富な経験および幅広い見識に基づき、社外の客観的な立場から経営戦略や経営課題について後押しするとともに、経営を監督する機能を担っています。これら社外取締役の存在が、当社のコーポレート・ガバナンスの実効性向上に大きく寄与していると考えています。
取締役会では、社外役員からさまざまな知見に基づく意見をいただき、建設的で充実した議論が行えるよう、社外役員合同の事前説明会を開催し、重要議案を中心に議案の説明を行っています。そこで出された意見・質疑内容などを役員全員で共有し、取締役会運営の実効性を高めています。

また、2016年度から導入した事業オーナー制では、各事業部門(国内損保事業、国内生保事業、介護・ヘルスケア事業、海外保険事業)のトップを事業オーナーと位置づけ、事業オーナーに事業戦略立案・投資判断・人材配置などの権限を委譲し、大きな環境変化に対して、お客さまにより近い事業部門が柔軟かつ敏捷な意思決定・業務執行を行います。そしてホールディングスは、グループCEOが全体を統括、チーフオフィサー(グループCFO、CRO、CIO、CDO)が横串機能を担い、グループ全体の戦略・重要課題の遂行、経営資源配分、グループ横串機能の発揮等に今まで以上に取り組みます。
これにより、各事業領域がコアコンピタンスを確立・強化するとともに、事業間の有機的な連携を図り、グループ全体の企業価値の向上が図られると考えています。

CSR

社会的課題の解決を通じて、サステナブルな社会の実現とグループの成長を目指します。

気候変動、貧困や人権問題、健康問題など、現在、さまざまな社会的課題が顕在化しています。これらの社会的課題に柔軟かつ迅速に対応していくことが当グループの持続的な成長につながると考えています。当社は、新中期経営計画においても、引き続き、企業価値を持続的に高めるための重要な経営基盤のひとつとしてCSRを位置づけています。
国際社会に目を向けると、2015年は、サステナビリティに関する重要な国際合意が議論された歴史的な年でした。9月に国連サミットで「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、12月には国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で「パリ協定」が採択されました。SDGsやパリ協定をはじめとした国際的な議論において、ボーダーレスで複雑にからみ合う社会的課題の解決には、さまざまなステークホルダーが協働して取り組むことが重要であり、なかでも企業の役割が非常に重要であるとの認識が高まっています。企業は、サステナビリティに向けた取組みを、企業の戦略、意思決定、情報開示に不可欠な要素として組み込み、自らを変え、社会を変えていくことが求められています。
これらの国際動向や当グループの環境変化をふまえ、グループのCSR重点課題の見直しを行いました。新たな重点課題は、経営理念に掲げる、お客さまの「安心・安全・健康」に資する最高品質のサービスをご提供し、社会に貢献することを具現化するため、5つを特定しました。また、重点課題に取り組むにあたって、当グループの強みを活かすアプローチ方法として3つを策定しました。今後も、新たな重点課題のもと、社会的課題の解決を通じて、サステナブルな社会の実現とグループの成長を目指していきます。

サステナブルな社会 グループの成長