社外取締役インタビュー

野原 佐和子(前列左)
株式会社イプシ・マーケティング研究所 代表取締役社長
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科特任教授

遠藤 功(後列左)
株式会社ローランド・ベルガー 会長

村田 珠美(前列右)
弁護士

スコット・トレバー・デイヴィス(Scott Trevor Davis)(後列右)
立教大学 経営学部国際経営学科教授

SOMPOホールディングスの変革をしっかりと支えてまいります

新中期経営計画がスタートしました。計画に対する評価や当社のガバナンスについてお聞かせください。

野原 佐和子
当社は、メガ損保事業者から「安心・安全・健康」をサポートするテーマパーク型サービス産業への大変革の最中にあり、新中期経営計画は、その変革による成長を実現する重要な期間に当たります。
計画の策定過程では、取締役会等の機会に何度も説明を聞きました。国内損保、国内生保、海外保険、介護、新サービス創出等について、各々実現可能なプランか、デジタル化のトレンドに即しているか、顧客視点で考えているか、社外の人間だからこそ気づけることが隠れていないかを常に考えながら、ディスカッションに加わりました。そして、各現場の体制や人材を考慮しながら、未来を先取りしたアグレッシブな計画が策定されたと評価しています。
また、当社の取締役会では、新中期経営計画に限らずさまざまな議題について、社外役員が積極的に発言し、社内外を問わず熱心に議論が交わされます。当社は、法制度やガイダンスの枠組みだけにとらわれることなく、それをどのように進化させて、会社の健全な成長につなげていくかという視点でコーポレート・ガバナンス体制を構築し実践していると、高く評価しています。


遠藤 功
SOMPOホールディングスはグループの目指す姿として「安心・安全・健康のテーマパーク」を打ち出し、ダイナミックにそのビジネスモデルを転換、進化させようとしています。その議論の過程においては、さまざまな意見が飛び交いました。質の高い議論を繰り返した結果、経営陣の総意として打ち出されたのが、今回の新中期経営計画です。そこには時代の変化を冷徹に見据えた合理性だけではなく、変革に挑戦するのだという強い意志と情熱がこめられています。
私はかねてから経営は「理+情+熱」の3つの要素で形成されていると考えています。そして、これら3つ の要素が揃えば、自ずと「利」に結びつくはずです。新中期経営計画にはこれら3つの要素が盛り込まれています。
しかし、計画は実行しなければまったく意味がありません。実行の過程では、より多くの困難や壁にぶつかるはずです。それらを乗り越えていくことによって、さらに逞しいSOMPOホールディングスとなることを期待しています。


村田 珠美
新中期経営計画で、国内損保、国内生保、介護・ヘルスケア、そして海外保険と4つの事業を基本とし、事業オーナー制の導入というSOMPOホールディングスグループのユニークな成長戦略と目指す姿が可視化できたと思います。
計画策定にあたっては、事業ごとに、ガバナンスのメリハリをつけること、特に新規事業には、SOMPOホールディングスグループのガバナンスやコンプライアンスのノウハウを重点的に提供し、それによって企業価値を上げることを、また計画全体では、一読して理解できるものであること(可視化)を意識しました。
計画の実施段階では、双方向性そしてスピードが大事です。新中期経営計画が最前線にいきわたり、日々の業務に活かされることはもちろんですが、日々の業務を担う現場からの、計画の進捗、達成見通しや意見をくみ取ること、そこから必要な修正・変更にスピードをもって対応することが大事です。


スコット・トレバー・デイヴィス
新中期経営計画は、SOMPOホールディングスが保険業界に抜本的な変革をもたらし、お客さまの人生を豊かにするためのイノベーション企業としての地位を確立するものであると考えています。
計画の成否は、ビジネスモデルを転換できるか否かにかかっています。これまでのSOMPOホールディングスは、お客さまに万が一の事故や不幸が起こった際に解決策を提供するビジネスモデルでした。これからは、お客さまが豊かな人生を送るために、お客さま自身では概念化・明確化できないような解決策を提供するビジネスモデルを確立していくことになります。同時に、海外においても国内同様の特徴をもつ新たなビジネスモデルを構築しつつ、国内ビジネスと補完しあう、バランスの取れたダイナミックな事業ポートフォリオを構築する必要があると考えています。
これらの変革の基礎はすでに準備できていますので、取組みの強化・改善を進めていくことが重要です。

目指す姿を実現するために、SOMPOホールディングスグループが今後すべきこと、期待することなどについてお聞かせください。

野原 佐和子
新中期経営計画で当社は、保険という非常時だけ思い出すサービスだけでなく、介護、健康関連データ管理サービスといった日々の暮らしに密着したサービスも提供する、「安心・安全・健康」に関するテーマパーク型サービス事業者を目指しています。
イザというときのサポートから日常的なサポートまでさまざまなシーンで当社サービスを利用いただくことになるため、ユーザーにとって多面的でより身近な存在になる必要があります。今まで以上に、ユーザーとの接点を重視し、お客さま第一を極めてほしいと思います。
一方で、そうした多面的なサービスをタイムリーにスピーディに展開し、効率的かつ上質できめ細かいサービスを提供するには、AI、ビックデータ、IoT、フィンテック等のデジタル技術を積極的に活用していくことが重要だと考えます。
その意味で、2016年4月にデジタル戦略研究・開発拠点として東京と米国シリコンバレーに設置した「SOMPO Digital Lab」に大きな期待をしています。


遠藤 功
SOMPOホールディングスが今取り組もうとしていることは、前例のない挑戦です。「安心・安全・健康のテーマパーク」、それを推進するための事業オーナー制の導入、全社的なデジタル戦略の推進など、先進的かつ革新的な経営モデルの構築を目指しています。
前例がないということは、他社の物真似はできないということです。自分たちで考え、自分たちで模索し、自分たちで答えを出していくしかありません。
ときにはうまくいかないこともあるかもしれません。しかし、新しいことにチャレンジし、試行錯誤から多くを学習することによって、次世代を担う卓越した人材が生まれてくるはずです。
未来を創造するのは、中堅・若手社員たちです。彼らに大きな仕事を任せ、「SOMPOホールディングスの社員はすごい!」と評判になるような「卓越人材輩出企業」を目指してもらいたいと思っています。


村田 珠美
「安心・安全・健康」のサービスを提供する会社として、お客さまの日常生活のなかに当たり前に存在すること、お客さまのニーズを予測して対応する事業者であることです。
私たちは、日常生活で、ここまでがAの問題、ここからはBの問題と意識はしません。保険や介護そのものではないですが、その前段階の問題やその周辺にある問題も含めて対応すること、そして具体的な問題が起こる前に、お客さまの動向・指向から予測して、お客さま個々にピンポイントで有益な情報やサービスを、適時に、ときに事前に提供・提案すること。それには、私たちの想像力、AIを含むIT化(デジタル戦略)、また4事業と戦略事業との連携が大事です。


スコット・トレバー・デイヴィス
さらなる成長と発展のためには、ガバナンス、人材、イノベーションの3つが重要です。
ガバナンス・ストラクチャの基礎はすでにできており、各事業戦略における権限と責任を負う事業オーナーが指名されたうえで、期待する役割が明確化されるとともに、厳しくも建設的な議論が行われる健全な「ガバナンス文化」が醸成されています。
人材の観点では、幅広い分野において能力が高く、多才かつモチベーションの高い人材から選ばれる企業になる必要があります。すでに地域ごとの人材管理で成長を促す仕組みや適材適所を実現する仕組みは整っていますが、さらに発展させることが必要です。
また新たなビジネススタイルを創り出すイノベーションを実現するためには、国内外のSOMPOホールディングスの能力や知識を統合する力が必要になってきます。
これら3つの要素のそれぞれにおいて継続性とバランスの取れたパフォーマンスを発揮し、SOMPOホールディングスがさらに成長することを期待しています。