第三者意見・第三者意見を受けて

SOMPOホールディングスグループのCSRへの取組みに対する第三者意見

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人

川北 秀人 氏

IIHOE:「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。主な活動は市民団体・社会事業家のマネジメント支援だが、大手企業のCSR支援も多く手がける。


当意見は、SOMPOホールディングスのホームページ上のCSR関連ページの記載内容、および損保ジャパン日本興亜の二宮会長、SOMPOホールディングスのデジタル戦略部、経営企画部テーマパーク推進グループ、介護・ヘルスケア事業部およびCSRの実務責任者または担当者へのヒアリングに基づいて執筆しています。
同社グループのCSRへの取組みは、統合的なPDCA(マネジメント・サイクル)の推進体制の確立に向けて進んでいると言えます。

ヒアリングの様子

執行役員 広報部長 兼 CSR室長
青木 潔

高く評価すべき点

  • グループを挙げたCSR推進(「マネジメント体制」)について、グループ経営基本方針に「本業の強みを活かしつつ、ステークホルダーとの積極的な対話を通じて、企業としての社会的責任を果た」す旨を明記するとともに、グループCSRビジョン、5つの重点課題と3つの重点アプローチを定め、KPIを設定して日常のマネジメントにおける実践に落とし込んでいること。さらにSOMPOホールディングスおよび国内外の主要な連結会社(「主要ESGデータ」)に対して、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取組みを確認するアンケートが2011年度から継続的に実施され、各社にCSR推進パーソンが任命されており、各社の現場での実践が「主な取組み」(「主な取組み」)として紹介されていること。また、2017年6月に「グループCSR調達ポリシー」を公表したこと。今後も、介護事業における推進体制の拡充を進めるとともに、重点課題や社会的な成果への影響に基づいてKPIが順次改定され、また、各社における取り組みが、1次・2次調達先まで働きかけて推進されることを期待します。
  • SDGs達成に向けた取り組み(「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)達成へ向けた取組み」)について、損保ジャパン日本興亜の二宮会長が国内外の経済界における推進役を積極的に果たすとともに、自社においても広報や研修などに織り込んでいること。今後は、2030年に向けた世界の変化や発展を、自社の成長に結びつけるとともに、その実現に貢献できるよう、管理職層や中堅職員層に「2030年への世界と自社を俯瞰する」研修を設け、海外でもNPO/NGOとの接点が拡充されることを期待します。
  • 安心・安全・健康に資する商品・サービスの提供(「主な取組み(お客さま)」)について、天候インデックス保険が2010年のタイでの開始以来、各国に相次いで展開されていること、通信機能付きドライブレコーダーにより収集された走行データの分析に基づく運転者への指導などによる事故防止支援サービス「スマイリングロード」の導入先で既に事故件数が2割減少していることなど、先駆的な商品を相次いで開発し、本業を通じた重点課題への取り組みが進められていること。今後は、同様の課題に直面する海外各国に、さらに積極的に商品やノウハウを提供するとともに、人口構成の変化やLGBTをはじめとする家族の在り方の多様性にも配慮した運用に期待します。
  • ホームページの構成(「CSR」)について、トップ・マネジメントのコミットメントやグループ基本情報に加え、CSRを通じた企業価値向上、CSRの考え方とマネジメント体制、グループCSR重点課題、SDGs達成へ向けた取り組みやESG情報インデックスなどを網羅的かつ体系的に紹介するとともに、「CSRのあゆみと主な取組みのインパクト」で過去からの取り組みの経過も紹介していること。今後は、非財務領域における長期目標・指標に対する進捗も紹介されることを期待します。
  • 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)や持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)、日本経団連自然保護協議会、企業市民協議会(CBCC)など、国内外の重要なイニシアティブ(「社会への宣言・イニシアティブへの参画」)について、重要な役割を果たしていること。今後も、日本を代表する企業として積極的に役割を果たされることを、強く期待します。
  • 社会貢献活動(「重点課題4 よりよいコミュニティ・社会づくり」)について、「SOMPOアートファンド」を新たに設け、国際芸術祭活動やパラリンアートコンテストなどを支援していること。今後も、世界各地の中長期的な課題に、各地の従業員の方々が主体的・継続的に、運営にも参加されることを期待します。

取組みの進捗を評価しつつ、さらなる努力を求めたい点

  • デジタル戦略部の取り組み(「特集3 デジタル戦略」)について、従来の保険から、これからの社会への備えへという基本的な考え方に基づき、ドローン、センサー、人工知能(AI)、ブロックチェーン、ウェアラブル端末などの活用を模索・推進するとともに、平時は運転特性を計測・診断し、事故時には位置・契約情報の発信・連携による支援、さらに衝撃感知による事故現場安心サポートを一体化した「つながるボタン」を開発・提供していることを評価しつつ、今後は、新興国・途上国を含む海外での展開や、事故の予防に結びつける啓発や支援のしくみづくりが進むことに期待します。
  • 経営企画部テーマパーク推進グループの取り組み(「特集2 介護・ヘルスケアの取組み」)について、同社グループが提供する多様なサービスの統合的な提供に向けた働きかけを評価しつつ、今後は、傾向や確率、予防方法など、顧客が多様なサービスの必要性や有効性により気付きやすくなる情報の提供や、コンサルテーションとの組み合わせ、また、他社とのパートナーシップの開発にも期待します。
  • 介護事業(「特集2 介護・ヘルスケアの取組み」)について、国内有数の事業者として8万人以上の利用者にサービスを提供し続けていることを評価しつつ、今後は、壁新聞など従業員間の情報共有を促すとともに、自社の事業を通じて得られた知見を保険やコンサルテーションの形で他の介護事業者とも共有され、高齢化最先進国である日本国内の介護事業の共通基盤として活用されることを強く期待します。
  • 紙の使用量の統合的な管理(「主要ESGデータ(環境側面に関する情報)」)について、保険商品の大幅な改定に伴い使用量も増大しており、その必要性は認めるものの、改定が見込まれる時点で、事前に、環境への負荷を低減し補う取り組みを、生物多様性保全への取り組みを進めてきた企業だからこそ、強く求めます。
  • 人的多様性を生かした組織づくり(「主な取組み(社員-ダイバーシティ&インクルージョン)」)について、国内外数百の主要ポストの職務評価を実施し、国内外グループ共通の人事システムの導入が進みつつあることを評価しつつ、今後は、長期的なグループ全体の人的ポートフォリオ目標を明示し、未来の市場・経営環境に備える仮説を検証する研修など、グローバルに活躍する次世代の上級管理職層を育成する体制のさらなる整備や、障碍者をはじめとする人的な少数者が相互に意見交換できるコミュニティの形成が促されることを、引き続き強く期待します。
  • 従業員の健康の維持・向上と働き続けやすい職場づくり(「主な取組み(社員-健康に資する取組み)」)について、育児・介護・看護のための休職・短時間勤務や在宅勤務制度を利用する従業員の比率が前年比で大幅に向上したことを評価しつつ、今後は、勤続年数の男女差が合理的と言える水準まで縮小するよう、若い女性の疾患予防・体調管理を支援することを期待します。
  • 中長期的な環境負荷の削減(「主な取組み(地域社会-気候変動の「緩和」に向けた取組み)」)について、今後は、日本政府がパリ協定に際して掲げた、2030年までに温室効果ガス排出量(13年比)26%削減、特に同社が該当する「業務その他」部門の40%削減目標を早期に達成するために、再生可能エネルギーの自社導入や他社での導入支援をさらに積極的に進められることを期待します。

第三者意見を受けて

グループCSR推進本部長
代表取締役
副社長執行役員

辻 伸治

当社グループでは、CSRに関する報告書の第三者意見の取組みが一般的ではなかった2001年度から、川北様に第三者意見を執筆いただいております。執筆をいただく際には、CSRに関する報告書の内容を確認いただくだけでなく、関連部門との双方向の対話を重視するお考えのもと、直接、対話の場を設け、各取組みについてより深くご理解いただいたうえでアドバイスを頂戴しております。長期間にわたる継続的なご支援に深く感謝申し上げます。

今回、川北様には、“未来に向けた対話”をテーマに、当社グループが積極的に推進している「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する取組みや、「安心・安全・健康のテーマパーク」へのトランスフォーメーションを通じた新たな価値創造に寄与する「介護・ヘルスケア」「デジタル戦略」に関する取組みを中心に、今後の課題についてアドバイスをいただきました。頂戴した内容は情報開示を通じ、社会に向けたメッセージとして発信いたしました。

今年度、高く評価いただいたなかでは、昨年度に続き、安心・安全・健康に資する商品・サービスを継続的に開発することで、本業を通じた重点課題への取組みが進められていること、また、新たな取組みとして、2017年6月に公表した「グループCSR調達ポリシー」や、「SOMPOアート・ファンド」をはじめとした文化・芸術に対する取組みが進められていること、さらにはホームページでの網羅的かつ体系的な情報開示が行われていることなどがありました。ご意見をふまえ、今後も当社グループでは、未来を起点にした価値創造に向け、商品・サービスの開発、提供や、事業プロセスにESG(環境・社会・ガバナンス)への配慮を組み込むことで、社会的課題へのソリューションを提供していくとともに、サステナブルな社会へと導く変革をもたらしていきます。

一方、今回、“未来に向けた対話”をテーマとして、直接、関連部門と対話を行っていただいた「デジタル戦略」や「介護・ヘルスケア」については、取組みの進捗を評価いただきながらも、さらなる努力を期待するとのご意見をいただきました。デジタル戦略においては、新興国・途上国を含む海外展開や防災・減災支援へのさらなる貢献について、また、介護・ヘルスケアにおいては、お客さまへの有益なコンサルティングサービスの提供や他社とのパートナーシップ開発、さらには事業を通じて得られた知見を他の介護事業者等へ共有することで国内介護事業の共通基盤構築へ貢献するなど、当社グループ内という「枠」にとらわれない取組みに向けたご提案をいただきました。
また、環境面においては、昨年度に続き、紙の使用量の総合的な管理や、中長期的な温室効果ガス排出量削減に向けた取組みをさらに積極的に進めること、社会面においては、人的多様性を生かした組織づくりや、従業員の健康の維持・向上と働き続けやすい職場づくりに向けたアドバイスをいただきました。 いずれも、「安心・安全・健康のテーマパーク」構築を実現していくことを目指す当社グループにおいて、大変重要であると認識しており、今年度いただいた数々の貴重なご意見を真摯に受け止めるとともに、今後、グループ全体のさらなる進化に向けて取組みを加速してまいります。

SDGsをはじめとした国際社会の動向をふまえ、当社グループでは、さまざまなステークホルダーの皆さまとの対話を重ねながら、よりよい未来へのソリューション・プロバイダーとして、レジリエントで持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。