SOMPOホールディングスグループのCSRへの取組みに対する第三者意見

IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表者 兼 ソシオ・マネジメント編集発行人

川北 秀人 氏

IIHOE:「地球上のすべての生命にとって、民主的で調和的な発展のために」を目的に1994年に設立されたNPO。主な活動は市民団体・社会事業家のマネジメント支援だが、大手企業のCSR支援も多く手がける。


当意見は、SOMPOホールディングスのホームページ上のCSR関連ページの記載内容、および同社の人事、CSR、損保ジャパン日本興亜のリテール商品業務・企業商品業務、総務、人事、SOMPOリスケアマネジメントの実務責任者および担当者へのヒアリングに基づいて執筆しています。同社グループのCSRへの取組みは、統合的なPDCA(マネジメント・サイクル)の推進体制の確立に向けて進んでいると言えます。

高く評価すべき点

  • グループを挙げたCSR推進(「推進体制」)について、グループ経営基本方針(「グループ経営基本方針」)に「本業の強みを活かしつつ、ステークホルダーとの積極的な対話を通じて、企業としての社会的責任を果た」す旨を明記するとともに、グループCSRビジョン、5つの重点課題と3つの重点アプローチを定め(「グループCSR重点課題」)、KPIを設定して日常のマネジメントにおける実践に落とし込んでいること(「CSRレポート」P.25(PDF/3,426KB))。さらに国内外の主要な連結子会社および事業会27社に対して、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取組みを確認するアンケートを2011年度から継続的に実施され、各社にCSR推進パーソンが任命されていること。各社の現場での実践が「取組み事例集」として紹介されていること。今後も各社、特に海外でのESGへの取組みの事例やデータがさらに詳しく紹介されることを引き続き期待します。
  • 安心・安全・健康に資する商品・サービスの提供(「CSRレポート」P.33-44(PDF/3,426KB))について、天候インデックス保険が2010年のタイでの開始以来、各国に相次いで展開されていること、通信機能付きドライブレコーダーにより走行データの収集・分析に基づいた運転者への指導などによる事故防止支援サービス「スマイリングロード」の導入先で既に事故件数が2割減少していること、早期の避難勧告などの発令を促すために避難所開設や職員の超過勤務手当などの費用を補償する業界初の「防災・減災サービス」、地震保険で補償されない部分を補う「地震危険等上乗せ特約」、要介護2以上で一時金を支払うとともに相談などにも応じる「介護サポートプラン」など先駆的な商品を相次いで開発していること。さらに、SOMPOリスケアマネジメントにおいても、定量分析による発生予測にもとづく各種事故・疾病の予防サービスが開発・提供されていること、また、健康保険組合への特定保健指導等のサービスにおいて圧倒的なシェアを有すること。今後は、同様の課題に直面する先進国や途上国にも積極的に商品やノウハウを提供するとともに、LGBTをはじめとする家族の在り方の多様性に配慮した運用に期待します。
  • 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)や持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)、経団連自然保護協議会、企業市民協議会(CBCC)など、国内外の重要なイニシアティブ(「社会への宣言・イニシアティブへの参画」)について、重要な役割を果たしていること。今後も、日本を代表する企業として積極的に役割を果たされることを、強く期待します。
  • 社員の主体的な社会貢献活動への参加(「CSRレポート」P.45-48(PDF/3,426KB))について、「SOMPOホールディングス ボランティアデー」に毎年社員約1万人が参加するとともに、SOMPOちきゅう倶楽部をはじめとする地域単位でのボランティア活動も継続的に実践されていること。今後も、世界各地の中長期的な課題に、主体的・継続的に参加されることを期待します。

取組みの進捗を評価しつつ、さらなる努力を求めたい点

  • 業務品質と顧客満足の向上(「取組み事例集」P.21-22(PDF/4,608KB))について、「お客さまの声白書」を継続して発行し、問い合わせの内容や、その対応について詳しく紹介していることを高く評価しつつ、今後は、蓄積された経験やノウハウ、顧客に関する記録などをもとに、最適な対応、サービスや提案を、最短の時間で提供できるようにするなど、他社事例などをもとにKPIを設定し、取組みが進むことを引き続き期待します。
  • 紙の使用量の統合的な管理(「取組み事例集」P.65(PDF/4,608KB))について、前年比で大幅に減少し、印刷物の長期停滞在庫の廃止依頼や改訂前帳票の併用使用なども進められていることを評価しつつ、今後も、持続可能な調達や効率的な資源化など、ライフサイクル全般の社会責任への取組みの向上を求めます。
  • 人的多様性を生かした組織づくり(「CSRレポート」P.49-52(PDF/3,426KB))について、Exchange Program(エクスチェンジ・プログラム)などグループ横断の人材交流を国内外で行うなど多様な専門人材の育成基盤づくりが始まったことを評価しつつ、今後は長期的なグループ全体の人的ポートフォリオ目標を明示するとともに、未来の市場・経営環境に備える仮説を検証する研修など、グローバルに活躍する次世代の上級管理職層を育成する体制のさらなる整備や、障碍者をはじめとする人的な少数者が相互に意見交換できるコミュニティの形成が促されることに、引き続き強く期待します。
  • 従業員の健康の維持・向上と働き続けやすい職場づくり(「CSRレポート」P.49-52(PDF/3,426KB))について、育児・介護・看護のための休職・短時間勤務や在宅勤務制度を利用する従業員の比率が12.6%に達し、「仕事と介護の両立支援セミナー」や「メノポーズ(更年期)と向き合うセミナー」にそれぞれ200人近くが参加し、ワークスタイル・イノベーションについてコンテストが開催されていること、また、LGBTへの対応として福利厚生制度の適用対象に同性パートナーも含めていることを評価しつつ、今後は、勤続年数の男女差が合理的と言える水準まで縮小するよう、若い女性の疾患予防・体調管理を支援することを期待します。
  • 中長期的な環境負荷の削減(「CSRレポート」P.54(PDF/3,426KB))について、今後は、日本政府が新たに掲げた、2030年までに温室効果ガス排出量(2013年比)26%削減、特に同社が該当する「業務その他」部門の40%削減目標を早期に達成するために、再生可能エネルギーの自社導入や他社での導入支援をさらに積極的に進められることを期待します。